寂しさに秋成が書(ふみ)読みさして庭に出でたり白菊の花    
    
北原白秋






菊花のちぎり(雨月物語 上田秋成)

雨月物語に「菊花のちぎり」という話がある。二人組み好きな私にはこれがなかなかツボな話で毎年重陽の頃になると思い出す。今年の重陽の宴にはやっと友人と酌み交わせそうなのでこの話をご紹介。ちょっとうろ覚えだが…。

赤穴宗右衛門という武士が病に倒れ、左門という貧しい男に助けられる。
天涯孤独の宗右衛門は左門の心根に感じ入り、また左門は深い教養と武勇を兼ね備えた宗右衛門に惹かれ「近兄(このかみ)」「義弟(おとうと)」と呼びかわすようになる。
左門と宗右衛門は左門母親と3人で暮らす。しかし宗右衛門は戦死した主人の様子を知りに一旦都に戻ることにする。
「都に帰ったらもうここには戻ってこないのではないか」と心配し、宗右衛門を引き止める
左門。しかし、宗右衛門は9月9日の重陽の節句には必ず戻るといい、旅立つ。
「近兄、約束を忘れたもうな」と見送る左門。


左門は約束の日、朝から菊の花を飾り、無け無しの金で酒や肴の準備をして待つ。
母親に「都は遠い。本日戻ってこれるかどうかはわからない」と諌められるが
「近兄の姿が見えてから用意をしたのでは疑うことになる」と左門は取り合わない。
しかし、いつまで待っても街道に宗右衛門は姿をみせない。
そのうち夕方になって、夜がふけてきた。雪洞に灯火が入り、集く虫の音だけが聞こえる。今日はもう戻らぬか、と諦めかけた頃に、やっと宗右衛門が姿を見せる。
ところがどうも様子がおかしい。用意した酒も食事も口をつけず、左門の問いかけにも
言葉少なに答えるばかり。

体調を気遣い、休むことをすすめる左門についに宗右衛門は真実を明かす。
実は宗右衛門はすでにこの世の人ではなかったのである。
国に着いた宗右衛門は主人の屋敷を訪ねたが、すでに主人はない。
しかも主人の仇から家来になれといわれ、それを断わった為に幽閉されてしまった。
出獄する目処も立たぬまま、徒に日は過ぎ重陽の節句が近づく。
このままでは約束の日に帰れず、義弟の信頼を裏切ってしまう。
人間は1日に千里いくことはできないが、魂ならば千里でも万里でもいくことができる、そう考えて約束を守る為に、牢の中で切腹したという。
驚きなげく左門の前で宗右衛門は灯篭の火のように消えていく。
その後、左門は義兄の仇を討ち果たすために自らも死ぬ覚悟で都に上る。
見事敵を討ち、城を後にする左門。これを討とうとする家臣に殿様は
「信義の武士じゃ、捨ておけ」と言って追わなかった。




この話に因んで、武士の社会では永遠の縁を誓い重陽の節句に菊花の酒を汲みかわす風習があったようです。菊花の酒、といっても特別なものではなく杯に菊を浮かべ
それを交わす形式です。そういえば、山梨には「菊水」という地酒がありますが
もしかしてこれに因んだもの?
しかし、この話初めて読んだとき(確か中1の時)「…別に死ぬことはないんじゃ」と
思った私はやはり武士ではない?左門も死んでその日に会うよりも何年か後でも
生きて会えたほうがよかったと思うんだけどなぁ〜。





























































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