こくうすく水色なるをしたにかさねて (夜の寝覚)

   
泉鏡花や心理学の影響で、いつのまにか色に興味を持つようになっていました。
ここでは、私の好きな色の名前を紹介します。



藍色
さすがに、この色を知らない人はいないだろう。
藍染は薄い順から白藍、薄藍、中藍(なかのあい)、濃藍(こきあい)
と微妙に違う色にかわっていく。中国語では黛藍(タイラン)
藍を発酵させ、染められる状態にすることを
「藍を建てる」といい、そのとき浮かぶ泡のことを「藍華」という。
風情のある言葉だ。


花紺青(はなこんじょう)」
スマルト、といってもなかなかイメージがわかないが
花紺青ときくと鮮やかで明るい青色だろうと見当がつく。
古代エジプトでも用いられた最古のコバルト系顔料。
着物の絢紐や半襟などでよく使われたが
いまはこの言葉を知る人は少ない。
色としては、露草の青が最も近い。もしくは、よく晴れた日の空の青と海の青が
まじりあう、その一番深い藍の部分。
この色を見ると、青には鎮静効果があるという説にも頷ける。

「藤色」
ふじの名は花が風に散る「風散(ふち)」に由来。
色としては明るい青系の紫色。
万葉の昔から珍重された色で
紅藤、藍藤、藤紫、薄藤、薄藤色、濃藤などさまざまな
色の元になっている。ふっさりとしたこの花が風に揺れると
淡い紫の軌跡が現れる。



★紅の抄★

「曙色(あけぼのいろ)」
夜明け前の次第に白み始めた東の空の色。
浅い黄に鮮やかな赤は東雲色(しののめいろ)とも。
江戸時代には曙染めという襟の部分を少し白く残し、その上を
紅や藍などで次第に濃くぼかしていく模様染めが流行した。
中国語の夜明けの色は「曙紅(シェーホン)」
地平線から昇る紅は鳳凰をおもわせる。


「水紅色(ときいろ)」
私の大好きな色。朱鷺色、時色(ときいろ)とも。朱鷺が飛ぶときに
みせる風切羽の色。夕暮れ時に晩霞と青の境に
うっすらとたなびく淡い櫻色、といえばおわかりいただけるだろうか。
女性の着物によく用いられた色で伊勢神宮では
儀式でつかう太刀の柄の飾りとしていまも使用されている。
絶滅しつつある日本産の朱鷺とともに
このやさしい風合いが忘れられるのはやはり悲しい。


「櫻色」
さくら、と名がつくものはみんな好きだが
中でもこの色は格別。紅の着物に半襟を櫻でぼかし、
友人に着せてみたいものだ(馬鹿)。
櫻の薄い花びらの色が日本で
珍重されるようになったのは平安時代以降。
「花衣 ぬぐやまつわる 紐いろいろ」(中村汀女)の
花衣は、おそらくこの色の薄衣を基調にしたものだろう。
中国名は「桜花紅(インホアホン)」



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